『くらしの宿Cocoro』を始めるきっかけは「畑スゲー♡」

みなさん、こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農家民宿『くらしの宿Cocoro』を営むただっちです。

台風19号はどうでしたか? 関東方面では大変なことになってますね。災害に見舞われた方に心よりお見舞いを申し上げます。みなさんに大きな被害が出ていないといいのですが。

『くらしの宿Cocoro』がある郡上市大和町は、夕方から夜にかけてやや強い風が吹いたものの、雨も少なく、被害はほとんどありませんでした。同じ郡上でも八幡や明宝という地区では停電があったので、少し離れているだけでも被害が全然違うんですね。災害対策は難しいんだなぁと感じました。

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台風にも負けなかった今年の稲たち。

うちは今回こそ大きな被害は出ませんでしたが、台風による被害はほぼ毎年出ています。特に去年(2018年)はひどかったです。大型の台風が三つも岐阜を通過して、最後の台風でビニールハウスが半壊しました (T-T) 

周りの農家はハウスが全壊したり、農作物が全滅したりと、かなり悲惨な状況だったので、彼らに比べるとハウス半壊くらいは軽いほうなんですが、…やっぱりヘコみますよね。

さてさて、気分を変えて、今回はどうしてワタクシたちが『くらしの宿Cocoro』を始めようと思ったのかについて、そのきっかけを振り返ってみたいと思います。

ご存じの方もいらっしゃるかもですが、ワタクシたちは去年(2018年)まで専業農家でした。

農業研修を経て、2012年に農家として独立、ナチュラルファームCocoroという屋号で田んぼと畑を合わせて1町歩強(10,000平方メートル強です)を、自然栽培でやってきました。単位がピンと来ない方が大半だと思いますが、実はこれ、けっこう広大な面積でして、農薬や除草剤を一切使わない自然栽培ではちょっと大きすぎる規模でした。

しかも私たちはできるだけゴミを出したくないという理由から、ビニールマルチを使わず、石油にも頼りたくないから機械も最小限! あとはひたすら人力と気力で頑張るぜ!! という超ストロング・スタイルだったのです笑

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お米も稲架(はさ)かけという、昔ながらのやり方で乾燥させまーす。

とは言えそれを2人だけで続けていくのは体力的な限界もあって、数年前から農業を学びたい人を研修生として受け入れたり、お米や野菜を自給したい人向けにワークショップを主催したり、WWOOF(ウーフ)という仕組みを利用して海外や国内の旅行者に手伝ってもらったりして、何とかやってきました。WWOOFってこんなのです。リンク貼っておきますので、ご興味のある方はどうぞ。

https://www.wwoofjapan.com/home/index.php?lang=jp

そのうちに

「いろんな人が来てくれる畑ってなんだか不思議」

と感じることが増えてきました。畑を手伝ってもらって、みんなクタクタになって帰っていくのに、帰る時にはお礼まで言ってもらえる。で、また手伝いに来てくれる(以下繰り返し)。この不思議な流れってなんだろう、と考えるようになったのです。そこで得たのは、「畑ってスゲーぜ」という小学生でも思いつくレベルの答えでした(小学生、ゴメンよ)。

そこから色々とこの「畑スゲー」に考えを巡らせてみて、一体何がスゴいんだろう、と考え続けました。

そしてできれば農作業をただ体験するだけではなくて、農の魅力を丸ごと味わってもらいたいな〜、それだとやっぱ日々の暮らしが大切だよなぁ、農と暮らしを一度に楽しむなら農家民宿だよね、じゃあ引っ越しかぁ、なんてビジョンが出てきました。当時ワタクシたちが住んでいた借家はとても古くて、設備的にお客さまをお迎えするには難しかったのです。

転機が訪れたのは、2017年頃に妻の親戚の寄り合いに顔を出した時でした。

妻のおじいさんの家は、おじいさんが亡くなってからずーっと空き家になっていたのですが、叔父さんたちがその空き家の管理に頭を悩ませている、という話が出たのです。

その時は全然ピンと来ませんでしたが、後日あらためておじいさんの家を見に行き、田舎の古民家にありがちなゴミの量にびっくりはしたものの、ここは「農と暮らし」を体験してもらうのにピッタリの場所じゃないか! と気付いちゃったのですね。

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引っ越す前はゴミがいっぱい。古民家あるあるです

そこで郡上への引っ越し計画を練り始めたのですが、一番気がかりだったのは、やっぱり今ワタクシたちがやっている畑と田んぼでした。

ワタクシたちがお借りしていたのは、地主さんが高齢のために耕作できなくなった農地、いわゆる耕作放棄地です。これを自分たちで開墾し直して使っていたのですが、それを地主さんにお返ししたら数年で以前のような荒れ地になるのは目に見えています。畑は一度荒れてしまうと、その後がとても大変です。

再び耕作放棄地になれば除草剤も使われるし、土はやせるし、虫や植物がいなくなってしまう。畑の周囲に住んでいる子どもたちへの影響もとっても気になります(残念ながら住んでいる人はへっちゃらですが…)。

うう〜ん、畑をどうしようかねぇ。

これが決まらないうちは引っ越しなんてできません。解決策が見いだせないまま日々農業を続けていましたが、ある人と畑で出会って、それが見事にスッキリと解決してしまうのです。

ひゃ〜、畑スゲー! ビバ出会い!

次回に続きまーす。

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