みなさん、こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農家民宿『くらしの宿Cocoro』を営むただっちです。
ワタクシたちは2018年の年末にここ郡上に引っ越し、そこからいよいよ『くらしの宿Cocoro』の改装が本格的にスタートしました。
改装がボチボチなりにも始まったのは、その引っ越しに先立つ2018年の10月末から。
郡上と当時住んでいた場所を行き来しながら、宿の改装と引っ越しの準備を始めたのでした。いやー、あの頃は超絶に忙しかった。今振り返ってみてもよく体が保ったなぁと思います。
月〜火→農作業と野菜の出荷、配達
水〜木→郡上で作業
金〜日→農作業、出荷、配達、イベント出店、ワークショップ開催
月に戻る…
お前いつ休んどんねん、とツッコミたくなるくらいブラック自営業。まるで嵐のような2ヶ月間でした…。
12月の初旬に野菜の出荷が終わってからは、郡上へ行く頻度がさらにアップ!
家財道具や農機具を軽トラに積んで、1日2往復とかしてたなぁ(片道80kmくらいだから320㎞か…)。一度にたくさんの荷物が運べる大きなトラックが欲しかったなぁ。
年内にそれまで住んでいた家を明け渡す契約になっていたので、毎日休むことなく郡上と当時の家を行ったり来たりしてたのです。よっぽどハードなスケジュールだったみたいで、普段は53キロくらいある体重が50キロを切りました。てへ♡ って乙女じゃあるまいし、嬉しくも何ともないわっ。
台所がない…
当時、郡上の家には台所がなくて水道も来てなかったので、大工さんに頼んで大きな工事をやってもらうことにしました。大工さんとは2018年の春から何度も打ち合わせをして、最初はそれこそ本気で目玉が飛び出るんじゃないかくらいの見積もりだったのですが、最終的にはなんとか手が届く金額に落ち着いてきました。
金額が落ち着いてきたことにはちゃんと理由があります。決して値切った訳でも、手抜き工事をお願いした訳でもありません。
上下水道を引いたり、壁を抜いて部屋を広げたり、床を張ったり、電気の配線をしたり、という大きな工事は全て大工さんにお任せして、小さなところやできる作業は全部自分たちでDIYすることにしたからです。
ついでに言えば、シンクや洗面台、トイレを始めとした備品は全て自分で購入しました。専門用語で言う「施主支給」ってヤツです。施主支給にすることで工事費が目に見えて下がる訳ではありませんが、備品を自分のセンスで細かく選択できるという点はオススメです。
本当はね、大きな工事も自分たちでやってみたかったんですが、さすがにそこまでの時間的な余裕はないし、専門の道具もないし、何より技術がないですからね。それに台所がないと生活できないから。真冬に毎日外でご飯作るとか、ガチすぎてあんまりワクワクできないよね。
ん? ちょっと待てよ? なんでそもそも家に台所がないの?
この家には元々台所が外にあったのですが、昔の大雪でそれが潰れちゃったんですよね。どんだけ雪降るんだよ! 郡上、ホント恐るべしだわ。
当初は昔台所が前にあった場所に新たに台所を建てようと計画していたのですが、予算と屋根の強度、その他の諸事情によりあえなく断念。
台所、どうしようかなぁ…、と悩んでいたら。
大工さんからの天の声が。「あの部屋の壁を取ってまえばええんや」
実はこの家には一部屋だけ謎の小部屋があったんですよ。位置は微妙だし、窓もないし、しかも広さは2畳ちょっと。一体どう活用したらいいのか分からず頭を悩ませていた暗くて狭い謎の小部屋。
その部屋の壁を全部抜いて隣の部屋とつなげ、台所に改修することになりました。
結果的にはこれが大成功! ゲストと一緒にご飯が作れる、広くて明る〜い台所になったのです。大工さんのアドバイスのおかげです。本当にありがとうございました。
大工さんには9月から工事を始めてもらい、途中お約束のようにハプニングがいくつかあって工期がちょっと伸びたりしたものの、ワタクシたちが作業を予定していた直前に無事終了!
さすが職人さん! よーし、時は来たぜ!
さぁ、DIYを始めるよ
とは言うもののですよ。ワタクシたちのDIYのレベルなんて初心者そのもの。
いや、レベルがどうこうちゅーか、大がかりな木仕事なんて今までに一度もやったことがありません。どこからどうやって始めたらいいものか、素材はどうすればいいのか、この素材は安全なのか、それはどこで買えばいいのか、予算はどうするのか、などとずいぶん考えました。そしてこんなことを考えている時間が思いのほか長くて、作業が全然進まなかったんです。
年内には引っ越ししなきゃだし、作業ができる日も限られているので、それまでには何とかしなくちゃと気持ちは焦るのですが、お客さまがお過ごしになる大事な場所をテキトーに作業する訳にはいきません。
ワタクシたちにしては珍しく、文字通り寝る時間を削ってどうしたらいいのかを考えました。でもめちゃくちゃ考えて郡上に来てみたら、それまで考えていたことが全然通用しないのです。ああ、困ったなぁ。
そうこうしているうちに
「ああ、この感覚、知ってるぞ〜」
という声が聞こえてきたのです(どこからよ?)。
思い出したのは、農家を目指して初めて畑に出たばかりの頃のことです。
後半へ続く。
[この記事は2019年10月24日に公開した『さあ、DIY開始だぜ!(前半) でも作業が全然進まないのだ』を、加筆修正し2022年10月に再度公開したものです]
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