みなさん、こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農泊を営む、くらしの宿Cocoroです。
昨日の郡上の最高気温はなんと13℃もありました! 冬眠していたはずのカメムシたちが「わ〜い、春だ!」と言わんばかりに大騒ぎです。夕方になって気温が下がってきたら、またどこかへ行ってしまいましたが。ってか、そんなにあっさりと起きたり寝たりできるのか、スゲーな、カメムシ。
このブログを読んで下さっている方で、古民家に住みたい人ってどれくらいみえるんでしょう? 住みたいけどなかなかいい物件がみつからない、って方が多いのかな。それとももう引っ越しを決意してる方もいらっしゃるのかしら? 古民家なんて古いし絶対イヤだわ、って方はそもそもこのブログを読んでないのかな?
古民家くらし、楽しいんですよ♡
なんと言っても伝統工法で建てられた家は、季節に応じて快適です! 一般的には古民家は気密性が低いし寒いからダメ〜、とか思われていますが、実際には床を断熱したり、すきま風をふさげばそんなことはありません。
確かに中にはどうしようもないくらいに傷んでいる古民家もありますけどね。そういう家は手をかけてもそれほど快適にはならないので、最初からある程度コンディションがいい家を探すのがいいと思います。
今回はそんな古民家への引っ越しを考えている方に、これだけは引っ越し前にやっておいた方がいいよ、というアドバイスです。

- 古民家へ引っ越す前にこれだけはやっておこう!
- ラスボスはこいつだ!
- どうして処理が大変なのか?
- どうして処理費用が高いのか
- とはいえ仕方なくJAに持っていきました
- ちょっとマジメに考えてみると
- まとめます
古民家へ引っ越す前にこれだけはやっておこう!
それはゴミ処理。古民家って、以前に住んでいらっしゃった方の荷物がそのまま置いてあったり、親戚中の荷物置き場になってたりするんですね。引っ越す前に大家さんがちゃんと片付けてくれているといいのですが、よくあるのが
「家は貸してあげるから、ゴミは自分たちで片付けてね」
ってヤツです。こっちは引っ越したい気持ちでいっぱいだから、ついつい「ハイハイ、自分たちでやりまーす!」って軽〜く引き受けちゃうんですよね(笑)
でもコレが大失敗のもとです。
私たちは古民家へ2回引っ越したのですが、2回とも自分たちでゴミの処分をしました。ええ、ええ、思いっきり失敗してますね…。
1度目の引っ越し先はこれってひょっとしてゴミ屋敷かも? くらいゴミがひどい家だったので、片付けがとっても大変でした。台所の引き出しを開けたら、天ぷら鍋に油がそのまま入っていたのには、たまげました。でもどうしてもその近くで農業がやりたかったから、その家を借りるのがベストだったんですよね〜。
これだけひどいんだし業者に頼もうか、なんて甘い誘惑がチラッと頭をかすめたりしたんですが、業者に頼むとそれだけでウン十万円。そんなお金はございません!
ということで引っ越す前に何度もゴミの片付けに行きました。毎回軽トラいっぱいにゴミを積んでは家とゴミ処理場の往復…。覚悟していたとはいえ、けっこう心が折れます…。オマケに財布もみるみる軽くなります…。ま、業者を頼むよりはずっとリーズナブルなんですが。
引っ越してからも何度か粗大ゴミを捨て(そういや車やオートバイまであったな〜!)、それがようやくキレイになった時には引っ越してから3年以上も経っていました。世界がスッキリして、とてもホッとしたのを覚えています。
2度目の引っ越しは妻のおじいさんの家ということもあり、最初から自分たちでゴミの処理をしようと計画していたのですが、家とゴミ処理場の往復に、やっぱり何度か心が折れました…。
それでもゴミを処分しなくては住めないし、くらしの宿Cocoroも始められないし、お客さんにも来てもらえない、ということでくじける心にムチを打って頑張りましたよ(笑)
ゴミの処理って、それを使っていた人の人生をふと考えてしまったり、これはまだ使えるのにな〜とか、捨ててしまうけどゴメンね〜とか、いろんな感情が湧いてくるんですよね。それを押し殺しながらの作業なので、精神的にちょっとしんどいし、余計に心が折れちゃうんでしょうね。
ラスボスはこいつだ!
でもゴミは果てしなく続きます。そんなロマーンチックな感情に浸っているヒマはありません。そしてもっとも大変だったのは、何を隠そう(隠してないけど)
農薬の処理!!
実は古民家のゴミ界のラスボス、ゴミの中のゴミ、一番処理に困るのがこの「農薬」なのですね。
古民家というのは、だいたいが農業を営んでいた人が住んでいた家なのです。昔は今より農家が多かったから、当然ですよね。そしてその家に使われなかった何十年も前の農薬がそのまま残っている、というのは非常によくあるケースなんです。
しかしこの処理が、想像以上に大変なのですよ。その辺にポイッと、という訳には絶対いきません。かといってゴミの日にも出せません。じゃあこれを一体どうしたらいいのか。ってことで、自分なりに調べてみました。
どうして処理が大変なのか?
それはですね
- 農薬を処理してくれる施設がほとんどない。
- 処理費がむちゃくちゃ高い。
- 処理してくれる機会が年に1回くらいしかない。
からです。
もちろん処理にかかる手間が大変ということもあるでしょうが、処理費用はその辺のゴミの比ではありません。ちなみにうちの場合ですと、処理費の見積もりはな、なんと

超ビックリ価格です! こういうのを破格と言うんでしょうか…。価格破壊してくれちゃって全然構わないんですが、そんな風は吹きそうにないですね。
そしてさらにビックリなのは農薬の中にダイオキシンがあったこと。ダイオキシンって猛毒ですよね…。そんなもの、薬だと言ってまいてた時代が実際にあったんですね。ちなみにその昔は水銀も農薬としてまかれていました。どちらも今まいたら、問答無用で逮捕されるシロモノです。
ただこれは昔に限った話ではなくて、今でも有名なところではグリホサートやらネオニコチノイドといった、かなり毒性の高いものが農薬として認可されています。農水省は農薬会社の資料をうのみにして(そして外圧に屈して)安全だと言ってるけど、何十年後かに「あの時代はあんな毒をまいてたんだよ」と言われる時代が来るんじゃないでしょうか。
どうして処理費用が高いのか
そもそもなんでこんなに処理費用が高いんでしょうか? 処理できる施設が少ないから業者の言い値が通っている、という面も確かにあるでしょうが、調べてみるとどうやらそれだけではなさそうです。
ちなみに一般的な農薬処理の流れはこんな感じです。
- JAに持っていく
↓ - 業者が中間処理施設へ運ぶ
↓ - 中間処理(焼却や中和、凝固など)
↓ - 業者が最終処分場へ運ぶ
↓ - 最終処分(たぶん埋め立て)
なんと最終的に処理をするまでに、2回も輸送するのですね。その輸送費にコストがかかるのです。
通常の農薬であれば、1キロあたりの処理費用は780円くらいです(ダイオキシンだと4,000円くらい)。その内訳はと言うと、中間処理と最終処分費が合わせて230円程度、輸送費が550円です。その差、2倍以上です。なんだかここにヒエラルキーというか、搾取の構造を感じるのはワタクシだけでしょうか? どう考えても処理の方がキケンだし、大変だと思うのですが。
とはいえ仕方なくJAに持っていきました
まず出迎えてくれたJAの職員さんにビックリです。まるでバイオハザード? くらいの厳重な装備で出迎えてくれました。

ん〜、何かおかしいぞ?
もうこの時点でワタクシの違和感センサーは点滅しまくりです。
そもそも、この農薬はおじいさんがJAから買ったものです。そして彼らがそれを販売した時、そんな格好は絶対にしていなかったはず。それどころか普通に車に乗せて、普通に売りに来てますよね。今、JAに行けば店舗内にたくさんの農薬が置かれていますが、店内で誰も防御服なんて着ていませんよ。
それが処分になると、いきなりバイオハザード…。
なんでしょう、このダブルスタンダード?
農薬ってキケンなの? 安全なの? どう考えて販売してるの?
ちょっとマジメに考えてみると
私たちは自然栽培農家なので、当然ですが農薬は毒でありキケンであるという認識です。でも販売する人たちはいつも「用法を守れば安全です」とお題目のように唱えていますよね。まいても安全、農作物も安全、川に流れても安全。野菜やお米への残留もある程度まで認められているし、通学途中の小学生がいてもお構いなしにまいています。
むしろ「こんな安全なものをキケンと言うアナタの方がおかしいんですよ!」くらいの勢いです。
でもホントはJAの職員さんも、農薬は怖いものだって知ってるんだね。毒だと認識してたんだね。
農薬を取り巻くみなさんの本音と建前がよーく分かった、農薬処理の一件でした。
まとめます
古民家への引っ越しをお考えのみなさん、くれぐれもゴミの処分は引っ越し前にお済ませくださいね〜。そして農薬の処理には、充分に気をつけて下さい。
そして ハッピーな古民家くらしを楽しんでくださいね〜。古民家がどんなものなのか体験してみたい方は、くらしの宿Cocoroに遊びに来てくださーい。
お待ちしてまーす♪
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