みなさん、コッコんにちは(せっかくだからってニワトリっぽい挨拶しなくていいから)。岐阜県郡上市でオーガニックな農家民宿『くらしの宿Cocoro』を営むただっちです。
『くらしの宿Cocoro』でお世話をしているニワトリさんたちが、ようやく毎日卵を産んでくれるまでに成長いたしました! いや〜、嬉しい! とても感激です。
思い起こせば2023年の3月に作り始めた鶏小屋でしたが、それが完成する前に農繁期に突入。心配していた通りそこからは全く手が着けられず、ようやく完成したのは冬の足音がすぐそこまで迫った2023年の9月でした。あぁ、小屋を作るのに6ヶ月もかかっちゃったよ…。
ヒヨコの導入は春が最適とされているのですが、9月も後半になってからヒヨコを導入して、ワラで防風用の囲いを作ったり、白熱灯で保温したり。いろんな手を尽くして、冬の寒さをどうにかこうにか乗り切ってもらうことができました。ニワトリさんたち、本当によく頑張ってくれたよ。ありがとー!
そしてヒヨコ導入から1羽も欠けることなく半年以上が経過し、ようやく産卵が始まったんです!
ということで、玉子販売のお知らせと、ワタクシたちがどのようにニワトリさんをお世話しているかをお伝えします。
平飼い玉子の販売について
玉子は全てご予約販売です。価格は1パック6個入りで470円です。容器をご持参いただいたかたは、50円値引きいたします。
ご予約の方法はいくつかあります。
1.ご予約フォーム
のいずれかでお願いします!
LINE公式アカウントは玉子の在庫状況などもお伝えしますので、使い勝手は一番いいと思います。
羽数が少なく、1日に産んでくれる量が限られていますので、2パック以上をご希望の場合は、引き渡しまでに少しお日にちをいただくことがあります。
一般的な玉子に比べると価格がやや高いなぁと思われるかもしれませんが、後述する「ご飯について」と「飼育環境について」をご一読いただき、ご理解くださると助かります。
お引き渡し場所は『くらしの宿Cocoro』です。遠方への発送もいたします(別途送料がかかります)。発送をご希望のかたはご予約フォームなどに必要事項をご記入の上、お問い合わせください。
ニワトリさんについて
ニワトリの品種は後藤孵卵場の純国産鶏「もみじ」です。
病気に強い、好奇心旺盛、人懐っこい性格、などと世間では言われているようですが、ワタクシは他のニワトリを飼ったことがないからよく分かりません…。
でも小屋に遊びに行くと「わ〜い、人だー人だー」といつも顔を見にやってきてくれます。お散歩をさせている時も、人のそばにずっといるので、人好きなんだろうな〜とは思います。
抱っこしたりもできますが、お腹が減っている時は日頃の恩も忘れて突っついてきます。背中に飛び乗られたり、跳び蹴りをかまされることもあります。ニワトリさんよ、そういうコミュニケーションは怖いのでホントやめてください。
育て方について
ニワトリさんの育て方については、中島正さんの「自然卵養鶏法」を学びました。
中島さんは岐阜県金山町のかたで、すでにお亡くなりになっていますが、今はお孫さん夫婦が「のびのび養鶏場」という屋号で養鶏をされています。ワタクシも4年ほど前にお邪魔させていただき、アドバイスをいただきました。のびのびさん、その節はありがとうございました!
自然卵養鶏法では小屋は4面とも全て開放、床にはコンクリートを打たず土のまま。ご飯のカロリーは低くく、でも質の高い発酵飼料や新鮮な野菜を与えて、毎日しっかりと運動をさせる。このように育てると卵の産み出しは遅くなりますが、その分ニワトリさんたちが健康に育って、長生きしてくれます。
現代の養鶏法は4面を壁で完全に囲い(ウィンドウレス鶏舎)、ケージに入れ、ハイカロリーのエサを与え、野菜は与えず、運動も一切させない。ニワトリさんを早期成長させ、卵の産み出しをできるだけ早くすることで、利益の最大化(イヤな言葉ですね…)を目指しています。ニワトリさんの寿命は二年半〜三年くらいでしょうか。
自然卵養鶏法は、現在の養鶏法とは真逆のやり方です。そんな育て方で、ゆっくりとニワトリさんたちに暮らしてもらっています。
自然卵養鶏法が気になったかたには、こちらの一冊をオススメします! 中島さんには何冊が著作がありますが、初心者のかたにはこれが読みやすくてオススメです。
ご飯(エサ)について
ニワトリさんのご飯は自家製の発酵飼料です(個人的にエサという響きが嫌いなので、ご飯と言っています)。
ご飯の内容は
- 玄米(自然栽培/慣行栽培)
- ヌカ(自然栽培/慣行栽培)
- オカラ(近所の豆腐屋さん)
- 牡蠣殻(広島産)
- 腐葉土(自家製)
- 煮干しやかつお節(宿やご近所の飲食店さんから出るダシを取った後のもの)
です。
牡蠣殻以外はほぼ自給か、地元で手に入るものばかりです。フードマイレージなんて概念を持ち出すまでもなく、地元で食材が手に入れられることはとてもありがたいし、何より安心です。
飼料を発酵させてから与えるのは、さきほどの中島さんによると「ニワトリさんたちに生きたご飯を与えるため」です。消化が良くなるので免疫力がアップするし、糞の臭いも減ります。また発酵の過程で温度が60℃近くまで上がることで、大腸菌やブドウ球菌などの各種病原性微生物をほぼ死滅させることができます。
この発酵飼料とは別に、宿で育てた自然栽培のお野菜も毎日たっぷりあげています。
添加物や成長促進のための抗生剤などは一切与えていません。
お世話係に過ぎないワタクシが言うのもなんですが、アイツらかなりええもん食ってます笑
飼育環境について
ニワトリさんたちは日々、この小屋で暮らしています。天気がいい時は小屋の外を散歩して、草を食べたりミミズを食べたりしています。でもうちのネコが襲ってくる危険があるので、常に周囲に注意を払う必要があります。ひえ〜、敵は身内にありか!
ニワトリさんたちが毎日何をしているかというと、走ったり、土を掘り返したり、止まり木に飛び移ったり、着地したり、砂浴びしたり、また走ったり。
どうやら日中はずっと体を動かしているみたいですね。意外にもこの様子が面白くて、時間が経つのを忘れて見入ってしまいます。ご近所さんもよく小屋を訪れて、ニワトリさんたちの様子を見ていってくれます。ちょっとしたエンタメです。
飼育密度は1平方メートルにつき1.5羽くらいです。良心的な平飼い鶏舎が1平方メートルにつき3羽程度ですので、さらにその半分の密度ですね。とっても広々とした感じです。ちなみに通常の平飼い鶏舎だと1平方メートルあたり10〜15羽だそうですが、イヤイヤ、それはさすがに狭すぎるでしょ。
最近ようやくイオンなどがアニマルウェルフェアという観点から、ケージ飼いから平飼いにシフトしつつありますが、それでもニワトリさんたちはさぞ狭くて苦しい思いをしているんだろうなぁと思います。
なんて言いながら、ワタクシ自身今までそんな事実に全く目を向けてこなかったんですよ…。知識として知ってはいたんですけどね。
やっぱりニワトリさんと暮らしてみると情もわくし、彼女たちの短い人生(トリ生?)が充実したものであるといいなとか、現代の暮らし方ってどうなんだろうとか、いろいろ考えちゃいますよね。知識よりも大切なのは、やっぱり実践と経験、そして何より感情ですね。
味はどうなの?
この卵はいわゆる「赤玉」なのですが、黄身の色はそれほど濃くはなく、山吹色をしています。これはなぜかと言いますと、トウモロコシや色を濃くするための添加物(色粉)を与えていないからです。その理由としては、トウモロコシは自給できないから。添加物に関しては今さら言うまでもないでしょう。
SNSなどではとても濃いオレンジ色の黄身を目にすることが多いですが、それとはひと味違う、卵本来の色をお楽しみいただけますよ。
色は薄めですが、味は濃いです! 特に白身はプリップリです!
でもしつこさは全くなくて、毎日食べても食べ飽きることがありません。お客さまからは「生臭くなくて美味しい」と評判です。たくさん卵がある時には、プリンやパウンドケーキを作っていますが、お菓子もとっても美味しくできます。
成分値とかはどうなんでしょうか。機会があれば計って一般的な玉子と比較してみたい気もしますが、あんまり数値に左右されるのもどうかと思うしなぁ。ということで、成分検査は現在検討中です。
ご宿泊でできること
『くらしの宿Cocoro』で提供している卵料理は、全てうちのニワトリさんたちが産んでくれたものです。マヨネーズも自家製です。ご宿泊の際はぜひご賞味ください。
「農泊まんきつプラン」ではニワトリさんにエサをあげたり、タイミングが良ければ卵の収穫も体験していただけますよ!
そしてお土産にも玉子はオススメです。ご宿泊予約の際にお申し出てくだされば、チェックアウト時にお渡しできるようご用意しておきます。
たまごつと作りのワークショップも企画していますよ(たまごつとの写真はいつかアップします)。ちょっと先になるかもだけど、こちらも楽しみだなぁ。
それではニワトリさんに会いに、『くらしの宿Cocoro』へ足をお運びください。よろしくお願いしまーす♪
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