みなさん、こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農家民宿『くらしの宿Cocoro』を営むただっちです。
前回のブログ、宿の改装を始めたはいいけどなぜだかなかなか進まない。オマケにどこからか変な声まで聞こえてきて、って話はコチラから。
そうです。何をしたらいいのか分からない。そんな状態に陥ってた時に思いだしたんです。
ああ、分からない…
なかなか改装作業が進まない時に思い出したのは、農家を目指して初めて畑に出たばかりの頃のことでした。
当然ですが、農業を始めたばかりの頃なんて分からないことだらけ。どれくらい分からなかったのか。そんな必要はちっともないけど、ここはブログっぽくあえて箇条書きにしてみましょうか。
- 土を育てるために何をしたらいいか分からない
- そもそも土が育つということがどういうことなのか分からない
- 作業をしてもそれが正しいのかどうか分からない
- この畑でどんな野菜が育つのか分からない
- 欲しいタネをどこで買えるのか分からない
- タネは蒔いたけど栽培方法が分からない
- どれだけ収穫できるのか分からない
- 何が分かっているのかすら分からない
もはや哲学とか形而上の域ですよ。添田唖蝉坊の唄が聞こえてきそうだ。余談ですけど、この唄はとっても面白いのでぜひ聴いてください!
目の前にはたくさんの分からないことがあり、一つ解決すれば次の分からないが出てきて、まぁとにかく分からないこと尽くしの毎日でした。
正直どうしたら前に進めるのか分からなくて、不安だったなー。
でもその分からないことを、一つ一つ自分で突きとめていかないといつまでたってもプロ農家にはなれないんですよね。
人に聞いたりネットで調べたらいいじゃないか、というご意見もあるでしょうが、それに頼ったところで実際はなかなかうまくいかないんですよ。農業の教科書もあるけど、これまた実践では全く役に立たない。
なぜならそこに載っている情報が正しいかどうかなんて、実際に体験して結果が出るまでは判断できないからです。正しいかどうか分からないけど、とにかく何かを選択して、それを信じて進まなきゃいけない。
まるで地図を持たず、場合によっては目的地すらよく分からずに、見知らぬ土地をさまよっているような感覚です。これってかなり不安ですよね。
分からない時はこうするしかない
そんな時はどうすればいいのか。ワタクシが数多い失敗の経験から得た処方箋をお伝えします。
- よく考えて計画を立てるーPlan
- 勇気を出して飛ぶーDo
- そして失敗する(笑)ーFail
- 1に戻る(以下繰り返し)
この繰り返ししかないんですね〜。
これぞ名付けてPDF!
おお〜、PDCに変わる新しいビジネスモデルの登場か? でもどう見てもパクリ以外の何者でもないのが悲しいぞ。
ここでの重要なポイントはですね、「失敗の原因を探ること」ではありません。
失敗を受け止める力を養うこと
これに尽きます。
自分が選択した行動の結果から生じた失敗をしっかりと受け止め、それを自分の知識や原動力に変えて前進する。
あちこち歩き回って壁にぶつかって、自分だけの地図を作り上げて、見知らぬ土地を突き進んでいく!
そんなイメージです。
そうすればきっといつか自分が進みたい方向に、自信を持って迷わずに進むことができるようになります。あ、断言じゃないな。そうなるとワタクシは信じてます。
ワタクシたちの場合、このあちこち迷走した期間が実に4年ほどありました。農業を始めて今年で11年目ですので、地図を作るためになんと半分近くは
「やってみて失敗(PDFね!)」
を繰り返してきたことになります。
ハハハ、4年ってけっこう長いな(笑) まだまだ失敗だらけですどね。そして新しいことに挑戦したらやっぱり見事に失敗したよ、という話はコチラから。
農の世界でも同じです
最後に農業界の話をすると、せっかく決意をして新規就農したのに経営がうまくいかず、なんと新規就農者の3割の人が5年以内に止めてしまう、という残念なデータがあります。
人それぞれにいろんな事情がありますが、個人的にはもったいないなーと感じます。5年なんてまだまだ序の口ですよ。
そもそも地図ってね、そんなに簡単にはできないです。あの伊能忠敬さんだって測量だけで17年、その後4年もかけて日本の地図を作ったんですよ! それに比べりゃワタクシの4年なんて全然甘ちゃんだし、楽勝だわ。
なのでワタクシは農を学びたいという人に
「頑張って失敗してね」
とよく言います。
冗談だと思って笑う人もいるし、失敗を恐れて質問ばかりしてくる人もいますが、ワタクシの答え=『あなたの地図』ではないのだよ。自分でやってみて、失敗の中から掴んだことが答えであり、地図なんです。その過程を経ずして(つまり楽して)自分の地図を作るなんて、たぶん不可能です。
…ってオレ、自分で言ってるよね?
農に関しては自信を持ってバンバン言えるクセに、それがDIYやと急に失敗したくなくなるのは何でやねん? 言うてることとやってることが違うやんけ!
と、なぜか突然関西弁で何度も自分に突っ込みを入れながら、なかなか進まぬDIYに取り組むワタクシでした。
で、台所が実際どんな風になったのか。その答えは『くらしの宿Cocoro』に来てご自身の目でお確かめくださーい。
よろしくお願いします!
[この記事は2019年10月22日に公開した『さあ、DIY開始だぜ!(後半) みんな、ホントに大切なのはPDCよりPD◯だから!』を、加筆修正し2022年10月に再度公開したものです]
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