こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農泊を営む、くらしの宿Cocoroです。また今日も郡上は雨ですよ。今年の秋は雨ばっかり。こう雨が続くと稲架にかけた稲がなかなか乾かないので、モヤモヤします。
しかしそんな時は気分を変えてブログだ、ブログだ! 雨でもやれることがあるって幸せだな〜。気合いを入れて、今回から郡上での古民家DIYに突入しまーす。
〜2018年作業日誌より〜
10/31〜11/1 郡上へ。いよいよDIY開始!!
大工さんが全ての仕事を終えて、家が私たちに引き渡された直後の写真がコレ。

大工さん、気を利かせてくれて私たちのDIYのために、床の養生をそのままにしてくれてました。ナイス、大工さん! 差し入れのお茶とかまでそのままなのも、現場感たっぷりでいいよね(笑)
カウンターの土台を見て、うぅ、早くカウンターを作りたい! という衝動を全力で抑えつつ、まずは壁に漆喰を塗るところから始めます。
この「漆喰を塗る」という作業、DIYでは人気がありますよね〜。それほど技術が必要ではないので、DIY初心者にはオススメです。漆喰を塗るとア〜ラ不思議、部屋の雰囲気がしっとりと落ち着いた感じに変わりますよ。住む人のことを考えても、リフォームするならクロスより漆喰をオススメします!
その他、漆喰のメリットとしては
- 湿度のコントロール
- 化学物質の吸着
- 防火
- 消音
などがあります。慣れるまではちょっとマスキングや漆喰を練ったりという準備が大変ですが、慣れてくると8畳間の壁なんて土日で余裕で塗れちゃいます。
注意点としては、どんな下地に塗るのか。クロスが張ってあるのか、板張りか、石膏ボードか、土壁か。下地によって本塗り前の作業である、下塗りが変わってきます。
あとはホームセンターでよく見る、すでに練ってあるタイプの漆喰を使う場合は、どんな添加剤が使われているのかを調べるくらいでしょうか。箱には詳しく書かれていないので、そういう時はメーカーに直接質問すると、たいてい教えてくれます。安いものや塗りやすいものには、ほとんど添加剤が使われていることが分かりました。この辺、加工食品とよく似ていますね〜。
で、くらしの宿Cocoroの壁はじゅらく壁でした。ここに本漆喰(自分で練る添加剤不使用のタイプの漆喰)を塗ろうと考えたのです。
みなさん、じゅらく壁ってご存じですか? なんか壁土の中にキラキラしてる繊維のようなものが入っていて、手で触るとそれが壁土と一緒にボロボロ落ちてくるんですよ。今のじゅらく壁はボンド入りなのでカチッと固まっているんですが、昔のものはボンドなし。それが塗られてから数十年たった今、劣化してちょっと触れるだけでもボロボロと落ちてくるんですね…。

もうこのボロボロがイヤでね〜、まずはこれをさっさと塗ってしまおうと思った訳です。
で、どうやって塗ったか、その手順をサクッとお伝えしますよ!
- マスキングをする
- じゅらく壁をはがす
- 砂漆喰を塗る(下塗り)
- 本漆喰を塗る(本塗り)
この4ステップです。
じゅらく壁をはがした時に、土壁があまりにやせている場合は、壁土を練ってすき間を埋める必要があります。
ちょっと寄り道します。作業内容をササッと知りたい方は、飛ばして下さい。
ネットで調べると、たぶんほとんどのサイトで「3.砂漆喰を塗る(下塗り)」のところに「シーラーを塗る」と書かれています。土壁の上にじかに真っ白な漆喰を塗ると、土から出たアクが染みてくるんですね。なので、本塗りをする前に何かでアク止めをする必要があります。
確かにシーラーを使うことがもっとも一般的な方法なんですけど、このシーラーって、化学物質なんですよ。まれに天然素材のシーラーとかって宣伝してるものがあるんですが、よく調べてみるとこれにもアクリルが入ってたりします。私たちは果たしてこれが本当に最善なのだろうか、とイチイチ考えて立ち止まってしまうのです。だから作業が進まないんですけどね(笑)
くらしの宿Cocoroが大切にしていることの一つに
『アレルギーや化学物質過敏症の方にも安心して訪れてもらおう』
というのがあります。
だからお客さまが使う部屋にはできるだけ化学物質は使いたくない! そもそも化学物質の吸着を見こんで漆喰を塗るのに、そこに化学物質を使ってたら本末転倒じゃないのか?
じゃあどうしよう、ってんで悩みまくっていた時に辿りついたのがこちらのブログです!
ブログ主さん、本当に助かりました。ありがとうございました! このブログで、私たちは砂漆喰というものを初めて知ったのです。
砂漆喰とは見慣れない資材ですが、漆喰に砂を混ぜたもの、とお考え下さいな。これを土壁の上に塗ることで土からのアクを止め、なおかつ本漆喰の乗りを良くする。しかもオール天然素材! というまるで夢のような、でも伝統的な資材です。
使ったことはないけど、これなら希望が持てるぞ! やってみよう! という訳で寄り道は終了。漆喰塗り、ようやく開始でーす!
1 マスキングをする
これは塗装作業をする時の基本のキ、ですね。マスキングテープや布マスカー、ブルーシートなどを使って、汚したくない場所をしっかりと覆っていきます。メーカーによって、使い心地が違います。幅や長さなど、いろんな規格がありますので、いろいろ使ってみて自分が使いやすいものを探してみて下さい。

慣れないうちは引っ張ったテープや布マスカーがくっついたりして超大変。でもだんだんと上手になるんだよなぁ。さすがにプロのようにはできないけど、真っ直ぐにテープを貼るなんて、やってれば誰でもそのうちできるようになってきます。
2 じゅらく壁をはがす
ハイ、みなさん注目! 大失敗はここでやってきましたよ〜(笑)
失敗って実は大事なんだよね、という話はコチラから。
ネットでは
・じゅらく壁に水をしっかり含ませてからはがす
・1畳につきヤカン1〜2杯分の水が必要
とあったので、まずスプレーで水をどっさりかけました。そしてネットの情報通り、じゅらく壁はちゃんとはがれました! が、その下の土壁の土までドロドロと溶け出してきたのです…。まー汚かった(涙) 溶けた土の掃除がとっても大変でした。
ひと言でじゅらく壁といっても、職人さんによっていろいろ塗り方があるんですね。うちのじゅらく壁はかなり薄く塗ってありました(1mmくらいかな)。ネットの人のところは、たぶん厚く塗ってあったんでしょう。なので最初から水をドバドバかけるのではなく、じゅらく壁がはがれる程度に、様子を見ながら水をかければいいと思います。
はがす量も、しっかり土壁が見えるまでやるとやり過ぎです。土壁とじゅらく壁の境目が出てきたな、くらいでOK!
で、はがれたじゅらく壁はその都度お掃除します。こういう時はほうきとちりとりが大活躍です。このじゅらく壁のカスが残っていると、漆喰と一緒に塗り込んじゃったりして、壁がとても汚〜くなります。そして水をかけすぎていると、水を吸ったじゅらく壁の掃除が大変です。いろんなところに貼りつく。塗れてるからほうきで掃くと伸びる。なので水はくれぐれも適量でね!
あまりの大惨事で写真を撮る余裕なし(笑) ま、そこはお察しくだされ。
3 砂漆喰を塗る(下塗り)
砂漆喰には読んで字のごとし、砂が入っています。本漆喰のようにスーッとは伸びず、ザラザラでブツブツしています。まずはそれを土壁に塗って行きます。

下塗りは薄く均一に、がポイントです。砂漆喰はザラザラしているのでちょっと大変ですが、ここをしっかりやると本塗りが美しく仕上がります。本塗りよりも丁寧に塗る、くらいの気持ちでやった方がいいと思いま〜す。
4 本漆喰を塗る(本塗り)
で、最後はその上にすかさず本塗りです。本漆喰を塗っていきます。砂漆喰から本漆喰を塗るまではできるだけ素早く! ここをゆっくりやってると、砂漆喰が乾いて(正確には土壁が砂漆喰の水分を吸ってしまって)、ポロポロはがれてきます。本漆喰も乗りません。専門用語で「水引きが早い」と言うそうです。なのでここは一気にスピード勝負!
本塗りはワイルドにコテ跡をつけるもよし。ツルツルに仕上げるもよし。塗る人の個性も出るし、漆喰塗りで一番盛り上がるところですね〜♪
そして本塗りのポイントは、周囲の縁をしっかり出すことです。縁がフラフラしてると、どことなくキレイに見えません。

でも縁がしっかり出てると、この通り。なぜかプロっぽく見える、気がする。

んー、まあまあやな。
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