みなさん、こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農家民宿『くらしの宿Cocoro』を営むただっちです。
富山県での愛農かまど作り、二日目に突入です! 初日の作業内容についてはコチラからどうぞ!
二日目の作業はこんな流れです。
- 愛農かまど作り・二日目
- 手順その① オーブンの天板をつける
- 手順その② 木枠を設置する
- 手順その③ オーブン天板の上に粘土を詰める
- 手順その④ レンガを積む
愛農かまど作り・二日目
手順その① オーブンの天板をつける
愛農かまどがスゴい点は、熱効率の良さだけではありません。なんとオーブンを備えているんです! このオーブンでパンを焼いたり、ピザを焼いたり、お肉や魚を焼いたりできます。中にはシュークリームまで焼いちゃうツワモノがみえるそうです。
愛農かまどが開発されたのは戦後まもなくなんですけど、その時代でもうオーブンが付いているんです。洒落てますよね〜。
野呂さんがお話ししてくれたところ、これは愛農かまどを開発されたのが、料理研究家の方だったからだそうです。ただ単に効率を求めたかまどではなく、どんな人でも簡単で楽しんで美味しい料理ができるように、という想いが込められているんですね。
この緑の部分がオーブンの天板になります。ドラム缶を切り取って使っています。さらにこの上に粘土を詰め、蓄熱できるよう工夫されています。
手順その② 木枠を設置する
さて、ここで二日目の最大のヤマ場を迎えます! 愛農かまど最大のキモである『木枠』の登場です!
なーんてね、やや煽ってみましたけど、木枠ってなんでしょうか? ではまずそれをご紹介しますね。
これです!
野呂さんが先代の北村さんから受け継いだ、愛農かまどを愛農かまどたらしめている、最も重要な部品です。北村さんはこの木枠を使って、三重県だけでも300基以上の愛農かまどを作られたそうです。
なにをするものかをごく簡単に言ってしまうと、「かまどの熱の通り道をデザインして、熱効率を高めるもの」です。
って言っても分かんないですよね(汗) 詳しく説明します。
通常かまどというものは、1つの焚き口(火を焚くところ)に対して、1つの調理口(煮炊きをするところ)があります。つまりこんな感じです。調理口が増えれば、それだけ焚き口が増えていきます。
でも愛農かまどは1つの焚き口で、2つの調理口を使うことができるのです。正確に言うと、調理口の1つは直火で、もう1つはそこから出る排熱を利用しています。
ってアッサリ言ってますけど、ここは愛農かまどを語る上でめちゃくちゃ大事なところです。初日編にも書きましたが、できるだけ少ない木で煮炊きができるように、と考え抜かれた結果なのですね。ワタクシはこれこそがまさにかまどの最終形だと密かに思っています。
そしてその排熱の通り道をデザインしているのが、先ほどの木枠なんです。それをこのように載せ、周りをレンガで固めていきます。
木枠の下にある板が入っているところが、焚き口になります。板はレンガを積み終わったら外します。
写真だとちょっと分かりづらいんですが、実は焚き口の中心と、木枠の中心(羽釜を置いた時の中心)がズレています。これまた愛農かまどの特徴で、焚いた火が羽釜の中心とはズレた場所にあたるのです。その結果、火はグルッと羽釜を一周するように動き、お米がムラなく炊きあがるという訳ですね〜。
ちなみに『くらしの宿Cocoro』の宿泊プラン「農泊まんきつプラン」では、お客さまに愛農かまどを使って晩ごはんのお米を炊いていただきます。当然ですがほぼ100%のかたがかまど初体験。でも今までに失敗したお客さまは一人もいないんです! 初心者でも簡単にお米が炊ける、それが愛農かまどのスゴさなんですね〜!
さて、ここからは赤レンガを一枚ずつカットしていかなくてはなりません。手間がかかる分、作業の進み具合はゆっくりになります。こんな感じで設計図が壁に貼り出されます。木枠を取り囲むようにカットしなくちゃなので、それぞれのレンガを立体的に削っていきます。これがとーっても難しい!
初日は6段目まで積みますが、二日目は9段目までしか積めません。それだけレンガのカットと微調整に時間がかかるということですね〜。
手順その③ オーブン天板の上に粘土を詰める
次はオーブンの仕上げ、天板の上に粘土を敷き詰めます。この粘土が蓄熱してくれることで、オーブン内の温度が安定するんですね。ちなみにこの粘土を敷き詰めたあとは、そこにももう一つの「木枠」を載せ、熱の通り道を作ります。
さて、ここで困ったことが…。
実は初日から分かっていたのですが、粘土が手に入らなかったのです。『くらしの宿Cocoro』で愛農かまどを作った時は、瓦の葺き替えの時に出る古い壁土をもらってきたのですが、砺波市(となみし)では近所でそれが手に入らないことが分かりました。手に入らなければその辺の田んぼや山を掘れば粘土は出てくるんですが、周囲には田んぼも山もありません…。う〜む、砺波市、恐るべし。
ホームセンターや瓦屋さん、左官屋さんなどいろいろ当たってみたのですが、全く見つからず。仕方なくスタッフさんに、お隣の石川県まで探しに行ってもらいました。そしてそこで無事に見つけてもらって事なきを得たのですが、粘土が手に入らないとはね〜。これには本当にビックリでした。これから愛農かまどを作ろうと思っているかたは、粘土の確保をオススメします。
さて、そんなスタッフの熱い思いがこもったその粘土を水で練り、このように団子にして天板の上に敷き詰めていきます。
ペタペタと粘土を敷き詰めたら、今度は左用の木枠を載せ、粘土に型をつけていきます。 これで左右両方の調理口に木枠が載った状態になります。
手順その④ レンガを積む
あとはひたすらレンガを積んでいくのみです。でも木枠の周りは細かくカットしなくてはならないので、レンガを削っては木枠に合わせ、合わなければ再度削り、合えばモルタルで固める、しかも水平を取りつつ、という神経を使う作業の繰り返しです。
この一連の作業が一番大変なところだと、改めて実感しました。レンガって切るのはとっても簡単なんですが、ミリ単位で立体的に削っていくのは、むちゃくちゃ難しいです。でも今回は若鶴酒造さんに超ベテラン技師さんがいらっしゃったので、予定していたよりも数倍早く作業が進みました。
二日目は9段目まで積んで終了! ベテラン技師さんの大活躍もあり、なんと予定通りの17時半前に終わってしまいました。
明日は早くも最終日。今日はゆっくり休みましょーヽ(´▽`)/
そんな愛農かまどがあるオーガニックな農家民宿『くらしの宿Cocoro』のご予約はこちらから。「農泊まんきつプラン」のお客さまには愛農かまどでご飯を炊いていただきます! ご予約お待ちしていまーす♪
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