味噌玉を樽の中に投げ込んでいきます

農家自慢の手前味噌☆その秘訣はダーンにあり! 

※この記事は2019年10月25日に公開したものですが、内容を追記、その他の部分も修正して2022年2月6日に再度公開しました。

みなさん、こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農家民宿『くらしの宿Cocoro』を営むただっちです。

何だか秋とは思えない不安定なお天気が続いていますね。お米も大豆も小豆も心配だな〜。心配してもどうしようもないんだけど、でもやっぱり心配だな〜。早く秋晴れの空が見たい! お天道さま、カモン、プリーズ。

突然ですが、お知らせです。

今年のお味噌が解禁になりましたよー!

木桶に仕込んだお味噌。う〜ん、美味しそうだ

 ヤッホ〜イ!

今年の2月に仕込んだ手前味噌、約20キロです。大豆のご注文が多すぎて、いつもに比べると仕込み量がかなり少なくなってしまいました。例年だと30キロは仕込むのですね。

原料はワタクシたちが栽培したお米・イセヒカリで作った米麹、大豆、そしてフェアトレードの天日塩のみ。手作りのお味噌って、原料はこれだけなんですね。原料の1つであるイセヒカリをどうやって育てているか、はコチラから。

田んぼはいいよな〜と農家はしみじみ思う。

お米と大豆は無肥料・無農薬で育てたものですが、実はこの大豆がとーってもスゴいんですよ! タネを採り続けて5年くらいになるかなぁ。最初にタネを分けてくれた人に品種を聞いたところ

「知らん。味噌用や」

とストイック&実用的なお答え…。しばらくはワタクシたちも「味噌用」と呼んでいました。

でも途中でそれじゃいくらなんでも大豆がかわいそうだよね〜、ということで「福丸」と名付けました。以来、『くらしの宿Cocoro』で育てている大豆はずっと福丸一本です。今年は郡上に引っ越して初めての作付けでドキドキでしたが、予想以上によく育ってくれました! ありがとう、福丸よ!

福丸のスゴいところはですね

  1.  大きい
  2.  甘い
  3.  すぐ煮える

なんとこれって、味噌に向く大豆の要件を全てクリアーしているんですよ。さすが「味噌用」なんてテキトーな名前で呼ばれるだけのことはあるよね!

ちなみに大豆をサヤから外す作業についてはコチラをご覧くださいね。ちょっと恐ろしい現実がアナタを待ちうけていますので、心してクリックして下さい(笑)

出会いは突然やってくる、のか?

で、仕込んでからじっと待つこと約8ヶ月。今年もちゃんとお味噌になってくれましたよー♪ ビバ発酵♡

ところでみなさん、お味噌って仕込んだことあります?

ワタクシたちも農家になる前は、当然味噌は買うもので、自分でお味噌を仕込むなんて考えたことすらありませんでした。でも一度やってみると、意外と簡単です。いや、簡単というか

「え? これで味噌になるの? ホント?」

くらいの、驚きのレベルです。

ではここで『くらしの宿Cocoro』がどうやってお味噌を仕込んでいるのかを、写真も交えて簡単にお伝えしまーす。

  • ステップ1 大豆を煮る or 蒸す
  • ステップ2 塩切り麹を作る
  • ステップ3 大豆を潰す
  • ステップ4 塩切り麹と潰した大豆を混ぜ、団子にする
  • ステップ5 ダーンする!
  • ステップ6 表面を平らにし、フタをする
  • ステップ7 じっと待つ

ステップ1 大豆を煮る or 蒸す 

前日から水に漬けておいた大豆を、柔らかくなるまで煮るか蒸すかします。指でつまんでスッと潰れるくらいが目安です。福丸だと2時間弱かなー。煮ている間、アクをこまめに取ります。くらしの宿Cocoroでは大豆を蒸します。蒸した方が大豆の味が抜けないので、お味噌の味が濃くなります。

大豆を煮ています

大豆が柔らかくなるまで弱火でコトコト。部屋中に大豆の甘い香りが立ちこめます

ステップ2 塩切り麹を作る

麹と塩をあらかじめよーく混ぜておきます。これが「塩切り麹」。塩は最後の方で使うので、少し残しておきます。

塩と麹を混ぜ塩切り麹を作ります

ステップ3 大豆を潰す

すり鉢でもミンサーでも何でもOK! なめらか〜にしてもよし、適度に粒が残っていてもよし。なんつっても手前味噌なんだから、お好みで大丈夫なのです!

大豆を潰しています
みんなでスリスリすると楽しいのです♪

 

ステップ4 塩切り麹と潰した大豆を混ぜ、団子にする

こんな感じでね。団子にするってなんか楽しいよね〜♪ 子どもちゃんも大活躍!

味噌玉を作ります

塩切り麹とすった大豆を混ぜてソフトボール大の団子にします

ステップ5 ダーンする!

そして力の限り、仕込み容器の中にダーンと投げつけます! 容器の下にはあらかじめ先ほど残しておいた塩を半分ほどふっておきます。ダーンと投げつけるのは、団子の中の空気を抜くためです。よっしゃー、遠慮せずに全力で投げてこーい!

味噌玉を樽の中に投げ込んでいきます

そしてダーン!! くれぐれも的は外さないように!

ステップ6 表面を平らにし、フタをする

ダーンが終わった後は表面を平らにならし、残った塩をふり、ラップなどで表面をピッタリ覆ってからフタをします。この覆いが甘いと、空気に触れたところからカビが出ます。

これが仕込んだ直後のお味噌。冒頭の写真と比べてみてください!

『くらしの宿Cocoro』ではラップは使わず、竹の皮や笹、昆布などを使っています。うちは変なカビがほとんど出ないんですよね。古民家なので風通しが良くて、気温が安定しているのが、発酵にいいのかもしれません。あと常在菌が健康なことも大事ですね。

フタをする時は、容器とフタの間から虫がはいらないように、新聞紙などをかませます。

そして最後はフタをする時のおまじない。

「おいしくな〜れ♡」

コレ、意外と大事なのでぜひやってみてください!

ステップ7 じっと待つ

そしてじっと待つこと8ヶ月。カビが出やすくなるので、天地返しは一度もしません。今年はこんなお味噌に育ちましたよー。

今回は覆いに朴葉を使いました。たまりも良く出てますね〜

そんな手間ひまかけた(あ、かけてないかもな…)お味噌をぜひ『くらしの宿Cocoro』へ味わいに来て下さいね〜。

ご予約はコチラから!

味噌汁に、お鍋に、そして日本酒の肴に。う〜ん、手前味噌ならではの深〜い味がたまりません。みなさんにお目にかかれることを楽しみにしていまーす!

2 コメント

  1. roy-7303-pkbs

    Cocoro様
    去年、初めてお味噌を仕込んでとりこになりました。味噌作りがこんなに楽しく、そして自分で作ったお味噌はこんなに美味しいのかとビックリです。
    今まで、『味噌は買うもの』と思っていましたっが、とってももったいないことをしていました(笑)
    『味噌用や!』と言われているお豆、とっても気になります(笑)

    返信する
  2. kurashiCocoro

    tonjil (id:roy-7303-pkbs)さま
    コメントをいただいてたのに承認が遅くなってすいません<(_ _)>
    お味噌、自分で仕込むとホント美味しいですよね~。いつか機会があればうちの「味噌用(今は福丸ですが)」でもぜひ仕込んでみてくださーい✨

    返信する

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