みなさん、こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農家民宿『くらしの宿Cocoro』を営むただっちです。まだ各地で大雨が続いていますね。みなさんがお住まいの地域は大丈夫ですか? 被害に遭われたみなさまには心よりお見舞い申し上げます。
またワタクシたちのことを心配してくださったみなさまには、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。ワタクシたちは(ネコも含めて)無事で元気です。
しかしワタクシたちが住むこの郡上大和地区でも、あちこちで大なり小なりいろんな被害が出ています。裏の小川はゴーゴーと音を立てて濁流に変わり、スイカくらいある大きな石がゴロゴロ流れていました。右端に見える橋を作ってくれた友人からは「橋は大丈夫か?」とありがたいご心配をいただきましたが、大丈夫でした。しっかり作ってくれてありがとう。

田んぼの向こうの山は斜面が崩れ落ちました! でもこんな豪雨でも稲は大きくなるんだな〜と、自然の力を畏れると同時に感心していたりもします。ちなみに向かって右がもち米(マンゲツモチ)、左はタイ米(ジャスミンライス)です。田植えの時は分かりませんでしたが、今では色も姿も全然違いますね。

山が見えづらいかもなので拡大してみます。

山と田んぼの間には川が流れ、県道が走っているので、土砂崩れによる直接の被害はありませんでした。
今回の郡上での豪雨は全国ニュースでもずいぶん取り上げられたようですが(テレビがないのでよく分かっていませんが…)、数日間続く大雨のために大動脈である国道156号線や並行して走っている高速道路が一部通行止めになったり、夜中に避難指示が出されて人生初の避難をしたりしました。
この156号線は(地元ではイチコロと呼ばれています)、長良川のすぐ横を走っているので長良川の水位が上がるとアッサリと通行止めになっちゃうんですよね。でも156号線が止まってしまうと、高速道路を使わなければ郡上からどう頑張っても脱出できません。う〜ん、まさにイチコロだわ…。
今回はその高速道路も止まり、さらには長良川鉄道も止まってしまったので、郡上は文字通り【陸の孤島】と化してしまったのでした。
そんな非常時は家でじっとしているのが一番なのですが、お仕事で市外に通っているかたはどうされているんだろうか、なんて考えていました。
そういえば避難するときに「避難所ではマスク着用で」と指示がありました。マスクや人との距離など、今まではまったく気にしていなかったけど、コロナ以降意識せざるを得ないことがいろいろありますよね。
それに本当に効果があれば、みんなで守るべきなんですけどね。いろいろ調べてみると、どうやらそうでもないらしいし…。形だけやっててもウィルスはお構いなしだしね。今人類がこの新しい世界に直面して本当にやるべきことは、そんな表層的なことではなくて、もっと他にあるんじゃないかなーと思った次第です。
くらしの宿Cocoroに何ができるのか?
こんな非常時にも関わらずなのか、非常時だからこそなのかはよく分かりませんが、この非常事態に際して『くらしの宿Cocoro』ができることは何だろう、という疑問が湧いてきました。
『くらしの宿Cocoro』は宿です。もう少し詳しく言うと「農と暮らしの体験ができるオーガニックな農家民泊」です。
そんな『くらしの宿Cocoro』がお客さまに提案できるものをごくごくシンプルにまとめると、それは「いかにして日々の暮らしを楽しむか」をお伝えすることだと思っています。
では暮らしを楽しむには一体どうしたらいいのか?
そもそも暮らしなんて意識せずとも普通にあるものだし、それを楽しむってどういうこと? という疑問は当然ですよね。
ま、今までにも同じようなことを何度かお伝えしてるんですけど、今回は方法論ではなく、もうちょっと本質的なところをお伝えできればいいなぁ、なんて思っているのです。
そりゃー便利がいいとは思うけど
実際に『くらしの宿Cocoro』にご宿泊いただいた方はご存じでしょうが、宿にはテレビはありません。ルンバはもちろんいないし、食洗機もありません。もっと言うとエアコンもクーラーも電子レンジもコーヒーメーカーも、電子レンジすらございません。
ハッキリいって不便です。ないもののオンパレードです。現代日本の生活水準からすると、「そんな宿にどうしてお金を払ってまで泊まる必要があるのだろうか、いやない(反語)」と思われても仕方ないです笑
その代わりと言っちゃあ何ですが、田んぼや畑やかまどや山からの水があります。ネコがいて、ご近所さんや友人たちがしょっちゅう遊びに来てくれます。お米や野菜は自然栽培でほとんど自給できてるし、それを煮炊きするエネルギーも裏の山で簡単に手に入ります。薪ストーブがあるので、冬の寒さも全然心配ありません。
幸いなことに、このコロナでも大雨でも私たちの暮らしはほとんど変化しませんでした(裏の山が崩れて宿ごと流される、とかなってしまえば別ですが…)。
ブレることなく生きていけること、そして安心して暮らせることって、実はすごく大事です。
便利はないけど安心がある暮らし
これが『くらしの宿Cocoro』がみなさんに提供できる、本質的な部分なのかなぁと思います。
そもそも便利って何でしょうが?
それはお金でありエネルギーであり誰か(主に後進国と呼ばれる国の人たち)の犠牲であり、何かの上に成り立っているものです。ということは? そうですね。便利はお金やエネルギーがなくなれば、その瞬間にフッと消えてしまうものなんです。
でもみんな便利大好きですよね笑 誰もがなかなか一度手にした便利を手放なそうとはしません。便利がなくなることにとても不安があります。何を隠そうワタクシも昔は便利大好き人間でしたから、間違いありません。
この便利がなくなったらどうしたらいいんだろう、それはイヤだ、困る、という不安が、この世界にいろんな歪みを作り出しています。だからしんどくても不本意な仕事をしなくちゃだし、あんなに危険だと分かっている原発が生み出す電気を手放すことができません。
日本の食糧自給率は世界的もスーパー低レベルなのに、相変わらず便利な輸入に頼りっきり。もし食べ物での安心を得たいのであれば、その手段として輸入は有効どころか間違っています。ましてや個人による買い占めなんて余計に不安をあおるだけで、何の解決にもならないことがお分かりだと思います。
そんな不安をなくすにはどうしたらいいのか。それは自分たちで不安と向き合い、「新しい暮らし」を模索し、その方向に勇気を持って進み続けるしかありません。それはとっても勇気のいる作業ですが、買い占めの例でもお分かりのように、たとえどんな手段を用いても不安の上に本当の意味での安心を築くことはできないんです。
ワタクシたちは3•11がきっかけで「新しい暮らし」を探し始めました。本当の食の安心を得るために有機農家になり、もっと本質的な暮らしに近づくために『くらしの宿Cororo』を始めた今、やりたいことは「食→住」にシフトしつつあります。
世の中にはコロナや大災害が、生き方を見つめ直すきっかけとなるかたもみえると思います。そんな人たちの「新しい暮らし」探しのちょっとしたお役に立てればいいな〜、なんてワタクシたちは思っているのですね。
というわけで、楽しい未来に向かって歩くあなた。お待ちしてますよ〜。
よろしくお願いしまーす!
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