田んぼはいいよな〜と小さな農家はしみじみ思う

みなさん、こんにちは。岐阜県郡上市でオーガニックな農家民宿『くらしの宿Cocoro』を営むただっちです。

今年の稲刈りも無事に終わりましたよー!! みなさん、応援やお手伝い、ありがとうございました! 11月からは宿でお出しするご飯が新米に切り替わります。ご注文をいただいている方にも、もうすぐ新米をお届けしますよ。たぶんまだ余裕があるので、新規のご注文にも応じられると思います。詳しくは籾すり後の11月上旬くらいにお伝えしますね。お楽しみに〜♪

今年は郡上で初めての米作り&田んぼのワークショップでした。あー、緊張したなぁ。最初の年って必要以上に周りから注目されますからね。近所のお店でご飯を食べてたら全然知らない人から

お前んとこの米、アレ、種類なんや?

とかイキナリ聞かれますから。ちなみに私たちが育てているお米は『イセヒカリ』という品種です。

そのイセヒカリを、私たちは無肥料・無農薬で1本植えしています。

通常の農法(慣行農法と言います)では、肥料と農薬と除草剤を使って、5〜6本植え。

慣行農法で農業やってる人から見たらあまりにも風景が違いすぎる…。『これは…、絶対失敗するな』と思われるっての(笑)

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植えたばかりの稲。ヒョロヒョロで頼りない…。そりゃみんな心配するよね

ま、失敗なんてして当たり前だし、本当はビビることでもないんですけどね。

でもね、失敗なんぞ上等じゃー! かかってこいやー! なんて大口を叩く余裕も実力もないので、今年も草が生えないようにしっかりと準備を行いました。

『くらしの宿Cocoro』の農法は、民間稲作研究所の「有機稲作」という技術です。この農法の最大の特徴は、草が生えにくい田んぼにする「抑草」という技術です。この技術を根本から理解できれば、草はほとんど生えません。

でもまぁ、ワタクシそこまで達人ではないので、田植えの前にしっかり代かきをして、田植え後は除草をコツコツ頑張りましたよ。

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除草はこんな感じ。モデルさんは2016年の田んぼのワークショップ卒業生

除草には田車(たぐるま)という道具を使いますが、ご覧の通り、人力っす!

適切な時期に除草に入ればそんなに大変ではないのですが、時期が遅れると延々と続く雑草地獄が待ってます…。でもうまく除草すれば、一度除草をするだけでほとんど草は伸びません。その適期を見極めるのが、経験と知識なんでしょうね。

案の定、田んぼを貸してくれている地主さんも、とーっても心配してくれました。地主さん、スゴく良い人で、田んぼをしょっちゅう見に来てくれたり、アドバイスをくれたり、私たちのことを心配してくれているのがよーく分かるんです。これが私たちの農法とは言え、心配かけてゴメンなさい。

でも田植えをして1ヶ月も経つとほら、ご覧の通り。

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田植え1ヶ月後の田んぼ。稲が力強く育ってきました!

稲が大きく育ってきたのが分かりますか?

稲と稲の間が白っぽく見えるのは、浮き草が生えているからです。

『くらしの宿Cocoro』の田んぼにはたいてい3種類の浮き草が生えるのですが、そのうちの1種類はイチョウウキゴケという絶滅危惧種で、なかなか目にすることができません。無農薬で田んぼやってるといいことがありますね〜。

真ん中の銀杏の葉のような形をしたものがイチョウウキゴケです 

このイチョウウキゴケは農薬に弱く、一度でも農薬を使うと生えてきません。なので田んぼを覗いてみて、このイチョウウキゴケがいれば、その田んぼは無農薬だと思って間違いないです。

話を戻して、そんな周囲からの「失敗するぞ〜」という心配をはね返せるくらい成功させると、そんな周りの冷めた雰囲気が一発で変わります! 農薬を使わずにお米なんてできる訳がないという不信に満ちた感じが、

「あれ? あれ? 意外と育っとる…んじゃないか?」

みたいな柔らか〜い雰囲気に変わるんですよ♡

ワタクシたちのような小さな農家はこの周りへのインパクトが実はとっても大事で、これってどういうことかと言うと、自分のビジョンを明確に具体的に示すということなんです。

この具体例がないと、いつまでたってもちっとも信用してもらえない。

自然栽培いいよ、農薬やめようよ、ラウンド◯ップって実は発がん性があるんだよ、とか周りに伝えても、良くて生返事、悪い時には鼻で笑われて、オマケに変人認定されて終わりです(涙)

ワタクシたちには「小さな農家を増やす」というちょっと大きめのビジョンがあるので、変人認定だけは避けたいところです(笑) そのためにも周囲の人たちにワタクシたちの成功例を見てもらって、自然栽培への関心を持ってもらう必要があります。

2013年からず〜っと毎年やっている「小さな田んぼのワークショップ」もその一環です。

無農薬でお米作りなんてできないよな〜、家族で田んぼやりたいな〜、なんて思っている人たちに「できるよ!」という具体的な可能性を示す場所です。現実を知ると一歩夢に踏み出せますからね。家族や仲間同士で田んぼができるのって、とってもステキですよ〜♪

…とかなかなかエラソーに言ってますけどね、実際には畑も含め失敗の連続ですわ(笑) なので

成功した時だけ、ここぞとばかりボリュームMaxでアピールですよ!

そしてこれが今年の田んぼ。

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田植え2ヶ月後。稲に勢いがあるので雑草はほとんど伸びません。田んぼスゲー!

こちらは稲刈りの様子。山に沈みゆく夕日が目にしみるぜ。

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稲架(はさ)にかけている様子。これから2週間ほど天日で干します

自分たちでもビックリするくらいたくさん収穫できました!

初めての地でドキドキの連続だったけど、ひとまず成功して本当に良かった。ワークショップに参加してくれた人たちも楽しんでもらえてるといいな。

そんなお米を『くらしの宿Cocoro』では、毎日愛農かまどで炊き上げています。かまどご飯、本当に美味しいんですよ。

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おなじみの愛農かまどです!

みなさん、『くらしの宿Cocoro』に美味しいご飯を食べに来て下さいね〜♪ よろしくお願いしまーす。

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